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『亀井勝一郎:言葉は精神の脈搏である』
山本直人著 2020.9 ミネルヴァ日本評伝選
462p,20cm 並製 ISBN:9784623096459
亀井勝一郎といへば高校生の頃に手にとった人生論がなぜかつまらず(単細胞な私は加藤諦三にハマった)、のちには「保田與重郎の大和禮讃を一般に説き直した」といふ言を信じて読みもせずゐたのですが、革命と戦争に翻弄された戦前世代の文学者のなかでも、一番生真面目に状況に対処したといへる批評家の生涯を、思想の偏りなく丁寧になぞった本書は、新資料や周辺情報にも目配りされ、テキスト未読の私にも興味深く読み進めることができました。作品を読んでゐませんので拙いですがご紹介まで。